脳画像を学ぶにあたって必要なこと。「脳」を立体的にイメージしよう。
こんにちは。
理学療法士 ゆろです。
好きな分野、「脳神経科学」!
得意、とかではなく知見を深めていて面白い分野です。
そんな背景もあり、認定(脳卒中)理学療法士も取得してみました。
仕事の対象も脳神経外科や神経内科の患者さん(主に脳卒中)が多く、
日々、患者さんと奮闘しています。
「脳画像が苦手…」
「見たところで症状を予測できない…」
「脳画像を見る意味が解らない…」
そんなリハビリの学生さんや若手はもちろん、
長年避けてアップデート出来ていないベテランさんも私の職場では結構います。
そんな方々に伝えたいこと…
脳画像だけでは脳の構造をイメージできないのでは?
脳内のネットワークってやつ意識しきれないのでは?
この記事は
☑ 「脳」の解剖・神経生理に対する興味を引き出すこと
☑ 「脳」を立体的にイメージすることの重要性を知ること
☑ 脳画像を見るときに、神経の繋がり(神経ネットワーク)を意識できること
以上を目的として、
読者の皆さんに提供できればと思います m(_ _)m
- ヒトの脳はさながら宇宙
- ヒトの脳はまるで社会そのもの
- 「脳」を立体的にイメージしてみよう
- 脳の断面は多面的に
- ネットワーク(回線)が断たれたイメージ
- 症状が予測できるということは…
- 脳を立体体にイメージできる文献を紹介
- まとめ~脳画像を学ぶにあたって必要なこと~
- 今回のオチ
ヒトの脳はさながら宇宙
銀河系の星と同等数の神経細胞が脳内に存在しているらしい。
具体的には1000憶個以上…
想像もできない数の神経細胞が、
水(脳脊髄液)にプカプカ浮かぶ、たかが1500g 程度の「脳」の中に…
ワクワクしませんか?
脳の中は宇宙に散在する星のように神経細胞でいっぱいです。
そう考えると…
スライスされた脳画像だけで想像できるスケールではありませんよね?
ちょっとロマンチスト過ぎたでしょうか(苦笑)
ヒトの脳はまるで社会そのもの
神経細胞自体、電気信号を伝える機能に特化しています。
そして1000憶個以上ある神経細胞が、
通信回線のようにつながっては切れて、異なる細胞につながったり…
目まぐるしいネットワークがそこにはあります。
まるで私たちの生活そのものみたいです。
SNS上で何百、何千の人とつながっていたり、
部下からの意見を整理して上司に伝えたり、
不快な対人関係を絶ったり…
ワクワクしませんか?
そのネットワークは脳の上下左右、縦横無尽に存在しています。
平面の脳画像ばかり見ていては、その回線経路をイメージできないかも…
「脳」を立体的にイメージしてみよう
脳を宇宙とか、社会(世界)そのもの…
なんて例えて興味が出てきた…としましょう。
先述した通り、脳の中は広~く壮大な世界です。
それを前提に、次は脳を平面、2Dから引っ張り出しましょう。
平面、ましてやスライスされた脳画像からは、
壮大な世界、ネットワークを作り出せません。
少なくとも、
カーナビを見るか、3Dのジオラマを見るか…
くらい情報量が違います。
文献でも、某サイトでも、立体的に描かれていればOK
理想は脳模型が一番!!
視覚的に確認する際に、なるべく実物大に近しいとよりイメージできるかと…
ちなみに問題です ('ω')ノ
大脳皮質(しわに覆われている表面)の厚さって知ってます?
脳の断面は多面的に
脳内の構造を把握するために3つの断面を見ていきます。
いきなり脳画像で水断面スライスを見てしまうとイメージしにくい… ↓
お勧めは、
矢状面(横)から見た断面図 → 前額面(正面)から見た断面図
→ そして最後が水平面スライスの脳画像 の順番で多面的に脳を捉えましょう。
※ 撮影された脳画像に各断面があるとは限りませんので文献などを参考に。
そして同時に神経束、神経路など脳のネットワークを確認
例えば?
錐体路、皮質網様体脊髄路、小脳脚、縦従束、脳梁、知覚伝導路…
いっぱいありますね~
ここまで確認出来たら、
実際に脳画像の1枚を見て、どこに何があるのかを考えてみてください。
立体的にイメージした脳から、切り株のように切り抜く感覚で。
ネットワーク(回線)が断たれたイメージ
脳は大脳皮質から脳内、脊髄に至るまで回線が張りめぐらされた組織…
脳の損傷はそれらのネットワーク障害とも言えます。
イメージしたリアルな脳のどこにトラブルが起きたかを把握しましょう。
ちょうど上の写真のような感じ…
スライスした脳画像の異常があるところで、
ハサミでプッツリ回線を切られたイメージでしょうか…
「わー出血が大きい」
「梗塞巣が小さい」
だけの話では終わりません。
そこにどんな神経系が存在していたのか…
上下左右、どこにつながる神経系だったのか…
それが把握できると出現する神経症状が予め予測できます。
それを理解するためにも、
頭の中にリアルで立体的な「脳」が必要なのです。
症状が予測できるということは…
症状が予測できると、必要な評価項目が絞れます。
トップダウン的な評価が円滑に。
そして障害像から機能予後も予測できるようになります。
それってゴール設定で必要ですよね??
脳を立体体にイメージできる文献を紹介
① Newtonライト2.0 脳のしくみ
日曜日、子供のスイミングスクール送迎の合間。
— ゆろ (@yuro0822) 2021年1月17日
ミスド&私の愛読
森岡周先生の「脳を学ぶ」シリーズ。
臨床でもプライベートでも、もう何度もめくってきました。
脳卒中患者さんと関わる私のバイブル。#理学療法#読書 pic.twitter.com/510kTkmY9z
③ リハに役立つ脳画像 改訂第2版