子供のスキー初体験でボーゲン獲得。楽しいレッスン内容 with 脳科学。
こんにちは。
理学療法士歴13年(2020年度現在)。
小学3年生と1年生の男児2人のパパです。
雪国出身あるある。
小学校の授業でスキーがある(だいたい3年生~)。
そして、こんなお達し…
「何度かはスキーを履かせてください。」「ちょっとでも滑れるように。」
学校の先生も大変です。
しかし、このお達しも結構大変です。
幸い、私自身学生の頃はスキー部だったので何とか教えられる立場に。
そして脳神経を中心に日々研鑽している理学療法士。
このアドバンテージを使ってスキー教室代を節約してやろうって体です。
某日、小1の次男スキーデビュー。
…無事に初級者コースのゲレンデであればボーゲンができるように!
目標達成!!
ということで、
Contents 初スキーでボーゲンを獲得させるには?
・子供の性格を配慮したファーストコンタクト
・恐怖心緩和~まずは止まれること~
・いくつもの動機づけを設けて情動脳を刺激
・見よう見まねをしてみよう
・後方介助による誘導~徐々に手続き学習へ~
子供の性格を配慮したファーストコンタクト
我が家の次男はとにかく
「めんどくさがり」
「いじけ虫」
「怖いもの知らず」
「びっくりするくらい大雑把」
「好きなことには全力投球」
つまり…
「つまらない」と思われたら即終了という若干の無理ゲー感あり。
逆に楽しませたらリフト1日券も元取れる!
そこで私のとった最初の行動(配慮)は…
☑ 絶対晴れの日にデビュー
⇒誰でも極寒、吹雪の中滑りたくないですしね(汗)
☑ 手袋の予備2つ持参
⇒雪いじり、転倒などで絶対湿ってくるし手が冷たいと嫌になるから。
☑ 平地でスキーに慣れよう みたいな最初の過程は省略
⇒よく「子供」「スキーはじめて」で検索すると…
平地で片足ずつ履かせて歩く とか、かに歩きで登る とか動画よくみます。
うちの子は絶対無理!
きっと「つまらない」と言うと思う。
こういった配慮は子供の不快をなくすためです。
どういった状況が子供の不快に繋がるか、予測することが大切です。
脳内では??
不快な情動は大脳辺縁系にある偏桃体を興奮させて、
隣接する海馬で記憶として構成されます。
「スキーに行く=辛い」
この関連を記憶されると絶望的です。
子供はこの記憶をもとに
「ダダをこねる」という行動プラグラムを立てるでしょう…
スキー場に行くこともままならなくなってしまうのです。
皆さんのお子さんはどーでしょう?
努力家なお子さん
怖がりなお子さん
競争心が強いお子さん
お子さんの性格に合わせて、
スキーとのファーストコンタクトに配慮してみてください。
恐怖心緩和~まずは止まれること~
併せて…
激しい転倒に対する恐怖心への配慮は必要です。
私がした最初の指導は、
☑ 緩やかな斜面から一直線にボーゲン
☑ スタート & ストップ を反復
まずは自分で止まれる術を覚えてもらいました。
ㇵの字でのブレーキングです。
はじめからターンなんて無理です。
そもそも力の入れ方を知らないのですから。
この練習はスキーを介して雪面とのコンタクトを学習させることが目的です。
自力で滑走するための絶対的近道です。
いくつもの動機づけを設けて情動脳を刺激
不快にならないよう配慮した後は、逆に快情動を!
必要なのは「報酬」です。
ここでいう「報酬」は
「楽しさ」「達成感」「ちょっとしたご褒美」などです。
我が家は…
☑ たまに抱っこ状態でハイスピード滑走
⇒ボーゲンの練習とか自分で滑れないときって同じことを言われるし、
同じことを繰り返すので正直、つまらないんだと思うんです。
「怖いもの知らず」の性格を利用してスリル感からの快感促通!
実際、これがまた好きなんですよ~
☑ おやつタイムの確保とランチの大好きラーメン
⇒「よし!あと1回のったらおやつ」
「スキー場のラーメンは格別!大盛にしちゃえ!」
断続的に滑ることでおやつを食べれること(うちはもっぱらジャガリコ)
おいしいラーメンが控えていること
思いのほかモチベに繋がります。
☑ ちょっとでも何か出来たらとにかく褒めまくる
⇒「(陰で)お兄ちゃんより覚えが速いな~」
「まぢか!?もうここまで出来るの??」
といった感じです。
「もっとこうした方がいい」「こうしなさい」よりずっと大切!
ニヤニヤしながらリフトに乗りますよ(笑)
脳内では??
「報酬学習」が行われています。
報酬学習は、欲求と深く関与した「動機づけ」の過程です。
「ドーパミン作動系ループ」と言われます。
そして報酬に基づく行動をとっていくわけです。
たまに抱っこでハイスピードで滑ってあげることで、
自ら好きなコースに行きたがったり…
おいしいラーメンを食べるためにもう一本滑ったり…てな感じです。
見よう見まねをしてみよう
どんなインストラクターでも自分と同じ動きを模倣させます。
これはとても大事。
基本です。
我が家も…
☑ 自宅や平地でYouTubeみながら模倣
☑ リフトに乗っているときはボーゲンスキーヤーに注視させる
⇒ゲームをしました。
「あの人は転ぶと思う?物まねしながら見ててみ?」
ちょっとした賭け事ですね(笑)
ターゲットになったスキーヤーの方、申し訳ありません(謝)
ただ、そんなやり取りも子供は楽しんでくれました。
☑ (ある程度滑れたら)私が後ろ向き滑走で先行しながら鏡のように
⇒これは指導側もテクニックが必要です。
後ろ向きで逆ㇵの字をつくって滑るわけですから…
これができると体の傾け方とか、滑走コースまで模倣を促せます。
脳内では??
大脳皮質の下頭頂小葉が働きます。
視覚や体性感覚を統合する領域です。
自分が真似る際は左脳のこの領域が働くとされます。
他者の動きを自分の動きとしてとらえるように促すのです。
ちなみに真似されるときは逆に右脳が働くそうです。
後方介助による誘導~徐々に手続き学習へ~
仕事で患者さんの後方から歩行介助(誘導)を行うときが多々あります。
ここで気づいた…
これスキーでも使えんじゃね??
☑ 後方から重心の位置を修正
⇒いわゆる「へっぴり腰」にほぼなります。
抱えてあげることで不安感を取り除きながら重心移動。
☑ ターンのときに谷側の足に圧をかけてあげる
⇒先述しましたが、力の入れ方を知らない訳です。
荷重のタイミングなどを徒手で誘導してみました。
画像参照。
☑ 徐々に助ける量を減らす
⇒気づいたら自立してボーゲンできるようになってました(笑)
脳内では??
自転車の操作やスキーのように「からだで覚える」とは
「手続き学習」を指します。
この状態に至るまでには宣言的(明示的)な学習、指導が必要です。
宣言的(明示的)な学習、指導とは…
「ここでグッと力を」などの言語的なものから
先述した見よう見まねなどによるイメージ、シミュレーション をいいます。
手続き学習と宣言的学習は密に関係しています。
何かを習得するには多くの領域が機能しているわけです。
まとめると
小難しい話もちょこちょこ出しましたが、
まとめると…
☑ まずは嫌にならない配慮をすること。
☑ 止まり方をまずは教えること。
☑ 楽しませること。
☑ (褒めたり、満足感だったり)ご褒美も忘れずに。
☑ 見よう見まねと後ろから誘導する方法がお勧め。
でした~~~。
ひとりでほっといても緩やかな斜面では勝手に滑ってました。
今日は家族でスキー。
— ゆろ (@yuro0822) 2021年1月23日
周囲とのソーシャルディスタンス&休憩時マスクお約束で。
小1の次男初体験🎿
歩行時の重心誘導みたく始めは介助から。徐々にアシスト。気付いたら自立。#スキー#子育て#運動学習 pic.twitter.com/zy5e7qNxqS
今回のオチ
後ろから支えて一緒にボーゲンしていた結果…
めっちゃ筋肉痛~~(涙)
とはいえ、次男もスキーの楽しさがわかったみたいで
「次はいつ行く?」
目を輝かせて話してくれました。
報われた~~~
気軽に覗いてください。